最近のSNSはbotと呼ばれるもの達で賑わっていると思う人も多いと思います。SNSの返信コメントだったり、Xのアカウント自体がbotだったり。
ネット上でbotに関するニュースなども沢山ありましたが、どれもbotの対しての危険性などが取り上げられている記事がほとんどでした。
その中で一つの記事を紹介します。
「ボット」が支配するSNSの「ヤバすぎる現状」…「いいね」の数に気をつけるべき「これだけの理由」(小林 啓倫) | マネー現代 | 講談社
この記事にも書いてありますが、「bot」とは、「robot」を略した言葉です。自動的に特定のタスクを実行するように設定されたアプリ、自動的にXへ投稿したり返答したりします。そして、同じ目的の為に動く仕組みを「ボットネット」と言います。
ウイルスのように他人のパソコンに潜んで、そこからDDoS攻撃(特定のサーバー類に一斉にアクセスするなどして負荷をかけで、ダウンさせる攻撃の手法)を行うボットネットなどが存在します。
イーロンマスクがTwitterの買収運動の時、買収を断念しようとしていた時の理由の一つがボットの存在でした。
Twitter側は、ボットの割合を5%未満としていたが、イーロンマスクはその数字が正確でないと主張、そしてTwitterが示した数字の裏付けが取れなければ買収計画は白紙に戻すとしていました。結果としてイーロンマスクが買収をして、サービス名を「X」としました。
イーロンマスクは元々、大量のbotが存在することでTwitterの価値が損なわれるとして、買収後には、その一掃を目指すと宣言していたそうです。
ですが、ボットは減っていない。
クイーンズランド工科大学のティモシー・グラハム准教授らによって、X社は「コンテンツをモデレートするのに十分な対応をしておらず、政治的偽情報に対処するための明確な戦略を持っていない」ことが明らかになりました。
イーロンマスクの姿勢がどこまで本気だったのか?本当は買収交渉を有利に進めるための戦術だったのではと、疑問を感じるような状態が生まれた。
グラハム准教授の研究などから、『X」にはたくさんのボットネットの一種(ドナルド・トランプが2020年の米大統領選挙で実は勝利していた、という陰謀論を拡散している1200以上のアカウントからなるものとのこと)は、ポストの収集対象期間だった2023年8月23日午後8時45分から午後11時15分(米国東部標準時間)の2時間30分だけで、300万以上のインプレッションを獲得していたそうだ。
またそのアカウント数をさらに上回る、1305のアカウントからなるボットネットも確認されている。
グラハム准教授はこうした事態が確認されたことから、買収騒動時のイーロン・マスクの言動とは裏腹に、「Xは虚偽や誤解を招くコンテンツ、陰謀論者、ボットやスパムネットワークの拡散の温床」になっており、そうした状況は「情報に基づいた民主的プロセスと自由民主主義国家の健全性に深刻な脅威をもたらす」と警鐘を鳴らしている。
『X」などの短いテキストを読んだだけで、政治的な信念が変わるなどと言う事態は考えにくいかもしれないが、SNSを通じたプロパガンダ行為に関連して気になる実験結果が発表された。
カナダにあるウィルフリッド・ローリエ大学のファン・モラレス準教授らによる研究で、論文によれば、彼らは被験者を集め、X上のポストを読んでもらい、その上で各種政策に対する考えを問うという実験。
ポストにはコロナに関して、パンデミック対策と経済活動のどちらを優先すべきかについて述べたもの。
その際、ポストに対して、一定の操作が行われ「いいね」「リポスト」が多いものとそうで無いものの2種類を用意した。
いいねが多いポストを読んだグループと少ないポストを読んだグループの間で、パンデミックに対する各種政策(集会の禁止や国境閉鎖問題)への支持に差が出るかを確認した。するとSNSを一日一時間以上利用していると回答した被験者ほど「ポストがどの程度支持されているか」と言う情報から影響を受けるという結果が得られたそうです。
例えば「いいね」の数が多い、経済重視派の投稿を見た被験者は、集会禁止などの規制を支持する傾向が低くなった、逆にパンデミック対策を重視する投稿に「いいね」が多かった場合、規制を支持する傾向が強くなった。またこの研究では、ソーシャルメディアを積極的に使うユーザーほど、政治的関心も高いという傾向も見られたそうです。
つまり、彼らに影響を与えると言うことは、政治や政策決定にも影響を与える可能性がある。
SNSが人々に与える影響はかなり大きい事、そしてその影響をbotがコントロールしているのかもしれないという現状がわかった気がしませんか??このニュース記事は1年前に書かれたもの、今はさらに進化したボットによって、どのアカウントが人間のもので、どのアカウントがbotなのかわからなくなってきているのかもしれない。
あなたがSNS上で仲良く話し合っている相手がもしかしたら人間ではなく、AIなのかもしれません。
と、ここまではbotによる危険性についての記事になるんですが、個人的に思うことは「botやらボットネットと言われるものがこれからも増え続け、監視や規制が追いつかない、そもそもどれが人間でどれがbotかわからないなら、止めようが無いって事を考えて見ることも大事な気がします」
もし、人間とbotの数が同じになり、さらに人間の数を追い越すような事になればSNSは、人がAIに注目されるような投稿に変わってくるかもしれないですよね。
近未来のSNS
AIに最適化された投稿の増加・SNSのトレンドや評価基準がbotに左右されると、一般のユーザーがAIに注目されるような投稿(例えばAIが好むキーワードや文体)を意識するようになる可能性があります。「AIウケする投稿術」が流行する、という未来もありえそうですね。
企業やインフルエンサーがbotに対して影響力を持つために、AI専用の戦略やメッセージを用意する必要が出てくるかもしれません。
コミュニケーションの変化・botとの会話が日常的になると、人と人がSNS上でどのように交流するかも変わるかもしれません。もう誰がAIで誰が人間か全くわからない状況なので、誰かの投稿が「人間らしい」かどうかを考えること自体が会話のトピックになったり、興味のあるトピックに関連するbotがコミュニティに加わることで、議論が活発になる場合もありそうですね。
AI botがユーザーのニーズに合わせて情報を集めてくれる、というのも一つの利点です。興味がある分野のニュースを自動で収集・共有するbotはすでに存在していますが、これがさらに進化するかもしれません。
考えられるリスクと対策・botが増えることにより、どのようなリスクがあるか、またそれを防ぐためにどういった対策が考えられるか?
これは、今のSNSと同じようなリスクが更に拡大する感じかもしれないですね、botによる情報の大量拡散が容易になり、特定のニュースや主張を拡散するために作られたbotネットワークは意図的にフェイクニュースを流したり、特定の視点を誇張するような活動を行う可能性、それらが人間の目に見えない形でより大規模に拡散されるリスクが高まります。
対策として同じ内容のツイートを多くのアカウントで一斉に投稿するbotネットワークは、ある程度のパターンを持つため、AIでその動きをモニターして停止することが可能だそうですが、これからの新しいbotのはどうなんだろう??
最大限の対策としては、やっぱりSNSを使う人間がそのシステムを理解する事ではないかな?と思います。つまりユーザーへの教育と意識向上しかない気がします。
もし、SNSの世界がAIだらけになったら、あなたはどのように感じるでしょうか?AIが人間と同じようにコミュニケーションする未来に、あなたはワクワクしますか?それとも、少しの不安を感じますか?AIと人間の境界がますます曖昧になるSNSの未来が、私たちのコミュニケーションをどう変えていくのか――その答えは、私たちがこれからどうSNSを使い、どう向き合っていくかにかかっているのかもしれません。
あなたはこの未来に何を思いますか?