オカルティズムにおけるシンボルと儀式は、奥深く広大なテーマです。まずは一般的な視点から、シンボルと儀式について解説していきます。
シンボルについて
まずはシンボルとは、特定の概念や思想、エネルギーなどを視覚的に表す図形や文字です。役割としては、抽象的な概念を具体的なイメージに置き換えることで、理解を深める事。人間と超越的な力や存在との間を繋ぐ媒介となります。
邪気を払い、幸運を招くなど、護符としての役割もあるそうです。
シンボルの種類としては、幾何学図形や自然物や文字などが使われています。
例えば、幾何学図形の円や三角形は物質の転換や精神の昇華を象徴していたり、 カバラの生命の樹、ヘブライ文字などは、宇宙の構造と人間の魂の関係を表します。
他にタロットでは、各カードに描かれたシンボルが、人間の心の状態や運命を暗示します。
儀式について
定義としては、特定の目的を達成するために、一定の手順で行われる一連の行為であり、個人の意識や精神状態を変化させる役割があります。
神々や精霊といった超越的な存在との交流を深め、現実を創造したり、望む未来を引き寄せたりします。
一般的に言われている儀式の種類としては、
・特定の霊や神を呼び出す儀式、召喚。
・ 空間や物を清める儀式、浄化。
・ 邪気を払い、自分や周囲を守る儀式、守護。
・ 心身の病気を癒し、健康を取り戻す儀式、癒し。などがあります。
ではここから少し深掘りしてシンボルについてのお話をしていきます。
カドゥケウスは、二匹の蛇が巻きついた杖の図像で、ヘルメスの杖としても知られています。もともとはギリシャ神話に登場する伝令の神、ヘルメスの持つ杖でしたが、その後、錬金術をはじめとする様々な分野で象徴として用いられるようになりました。
カドゥケウスの意味
カドゥケウスは、多岐にわたる意味を持ちますが、錬金術においては特に以下の象徴として捉えられてきました。
・対立する原理の統合: 二匹の蛇は、宇宙の根源を成す対立する二つの原理（例えば、男と女、光と闇、火と水など）を象徴します。カドゥケウスは、これらの対立する原理が統合され、調和が生まれる状態を表しています。
・変容と再生: 蛇は脱皮を繰り返すことで再生を象徴し、錬金術における物質の変容、すなわち卑金属から貴金属への転換を表現しています。
・中立性: ヘルメスは神々の使者であり、天と地、神と人間をつなぐ役割を担っていました。カドゥケウスは、この中立性を象徴し、異なる世界や概念を結びつける媒介者としての役割を示唆しています。
・錬金術の過程: カドゥケウスは、錬金術の過程全体を象徴しているとも考えられます。二匹の蛇が螺旋状に巻き付いている様子は、物質が段階的に変化していく様子を表していると考えられています。
・ギリシャ神話: カドゥケウスは、もともとギリシャ神話に登場するヘルメスの持つ杖でした。ヘルメスは、商業、旅行、盗み、そして死者の魂を冥界へと導く神として崇められていました。
・錬金術への導入: ヘルメスは、錬金術においても重要な神とされ、カドゥケウスは錬金術の象徴として取り入れられました。錬金術師たちは、カドゥケウスを参考に、物質の根源を探求し、物質の転換を試みました。
・医学の象徴: カドゥケウスは、錬金術だけでなく、医学の象徴としても広く用いられています。これは、ヘルメスが医術の神でもあったこと、そしてカドゥケウスが対立する原理の統合を象徴していることから、健康と癒しを象徴するものとして捉えられたためです。
カドゥケウスの現代における解釈
現代においても、カドゥケウスは様々な分野で用いられています。
・医学: 医療機関のロゴや医療従事者のシンボルとして広く用いられています。
・タトゥー: 身体に刻むタトゥーのデザインとしても人気があります。
・オカルト: オカルトや神秘主義の分野でも、カドゥケウスは重要なシンボルとして扱われています。
カドゥケウスは、錬金術において、物質の変容、対立する原理の統合、そして宇宙の神秘を象徴する重要なシンボルでした。その意味は多岐にわたりますが、根本的には、物質と精神、天と地、そしてあらゆる対立するものを調和させる力、そして変容と再生の力を象徴していると考えられます。
カドゥケウスに関するその他の情報
* カドゥケウスとアスクレピオスの杖: カドゥケウスとよく混同されるのが、アスクレピオスの杖です。アスクレピオスの杖は、一匹の蛇が巻きついた杖で、医学の守護神アスクレピオスの象徴です。
* 錬金術の他のシンボル: カドゥケウス以外にも、錬金術には、賢者の石、万物の霊薬、錬金術炉など、多くの象徴が存在します。
カドゥケウスは、その美しいデザインと深い意味から、古今東西の人々を魅了し続けています。
オカルティズムにおけるシンボルについてお話してきましたが、このテーマはまだまだ沢山のお話があり、ほんの一部の紹介になります、同じ事が儀式に関しても言える事なので、また改めて儀式に関するお話もさせてもらいますので、今回はここまでになります。
でわでわ。
